透熱灸(とうねつきゅう)とは
「透熱灸(とうねつきゅう)」は、カラダのツボにに小さくひねったもぐさを立て、線香で火を付け、もぐさを燃やすことで熱刺激を深部へと浸透させて、血行の促進や免疫力向上、自律神経の調整を目的としたお灸の方法です。
準備するもの
- 透熱灸用のもぐさ
- 線香 (青雲など)
- ライター
- 灸点ペン(赤鉛筆や水性ペン)
- 綿棒
- 紫雲膏・馬油など
- カット綿 (消毒用エタノールを浸したもの)
- 灰皿
施灸手順
- 目的のツボを探す。
- ツボに灸点ペンで印を付け、綿棒で紫雲膏をツボに少量塗ります。
- 灰皿を脇に置いて、線香に火をつける。
- もぐさを半米粒の大きさに(円錐形)に捻り、ツボに立てる。
- 線香で、もぐさに火を移す様に点火。
- 半分程燃えた所から、消火(ゲートコントロール)を行う。
- 一壮目はもぐさの底面が燃えないところで消火し、二壮目からは底面まで燃やす。
- 最後にカット綿花に消毒用エタノールを浸し、ツボの墨などを拭いて落とす。
- 刺激が強く入り過ぎた時には、ツボに紫雲膏を塗って置くのも良いでしょう。
透熱灸の熱さを和らげる方法
『ゲートコントロール理論』
ゲートコントロール理論とは、痛みの刺激が脳へ伝達する途中にゲート(門)があり、痛みの伝わり方をコントロールしているという疼痛理論です。
例えば、蚊に刺されて痒い場所を掻くと、少し痒みが和らぎますが、この仕組みには ゲートコントロール が関わっています。
応用
お灸の熱さを感じ始めた直後に、もぐさの脇を親指と人差し指で押さえることによって、先に感じていた熱さよりも、後から加えられた指の圧刺激が優先させられるため、熱さを感じにくくなります。
重要ポイント!
- 親指と人差し指の腹をくっつける。
親指と人差し指との指先の間隔を狭くすることで、もぐさが燃えるのに必要な酸素の量を減らし、速やかにもぐさの火を消すことができます。 - お灸の熱さを感じる前から、もぐさの脇を親指と人差し指で押さえてはいけません。
もぐさの脇を押さえている刺激が、脳に伝わった後にお灸の熱さ刺激が加わると、お灸の熱さが優先されまてしまい、熱さをやわらげることが出来ません。 - もぐさが消えても、すぐに離さない。
熱さや痛みの刺激を伝える神経は細く、伝たわる速度が遅いため、もぐさが消えても熱さは遅れて感じるため、脳が熱さを感じ終わるまで、指を離さない様にします。 - もぐさは出来るだけ軽く捻ります。
強く捻ると燃焼速度が落ち、また、燃焼温度も高くなるため、刺激が強くなってしまいます。
灸を数える単位は一壮(そう)、二壮と数えます。
灸を据える数の目安としては、三壮、七壮、二十一壮、三十一壮と適宜変えていきます。
せんねん灸 ツボブック
お悩みの100の症状をわかりやすく解説した布張りのオシャレな一冊。
バインダー式なので1ページずつ、取り外すこともできます。
症状に合わせたツボについては、灸の本などを参考にしてみて下さい。
一番いいのは鍼灸師のアドバイスを受ける事です。
※注意点
お灸をしてはいけない場所やお灸をしてはいけない時などQ&Aにまとめてありますので、必ずお読みになってからお灸を楽しんで下さい。
お灸Q&A お灸についてよくある質問
尚、お灸をすえることにより火傷や事故など起こった場合、当方は一切責任を負いませんので、自己責任のもとに行って頂けますようお願い致します。
透熱灸のやり方 PDF ダウンロード